名実共に名作だと伝え聞き、挑戦してみたのだが…
取り憑かれたかの如く読み入った部分と
腑に落ちないことが多かった部分が混在している。
この先は、完全ネタばれモードなので、
まだ読んでいない方は、ご遠慮下さい。
また、このレビューは、
クレーム的な発想ではなく、素朴な疑問を書いているので、
私が読み落としている要素などがあれば、
是非、教えてください。

※注意
ここから先は、完全ネタバレです。読了の方のみご覧ください。
・岩田が撲殺した登山者。最終的には、明かされず…。
5人の計画にも、関係しておらず…。
心中にも加担しておらず…。
一体なんだったんだろう。
だけど、この事件が、この長編の始まりなんだよね…。
・同じく、物語の序盤で登場してくる岩田の精神描写。
あそこまで、岩田という人間を描きながらも、
後半はないがしろ… だったよね。
結局、あの飯場っていうのは、
単に、佐伯がスコップを借りた場所でしかなかったのでは…
・マークス(水沢)が犯した連続殺人の裏には、
「復讐」「恨み」といった感情があるのだと思い込んでいたが、
最終的に、ただの恐喝だったのでしょうか…?
同じ山で、同じ時期に起きた
心中事件と連続殺人は、
何か特別な繋がりがあると思い込んでいたのですが、
結局何もつながりはなかったわけですよね…。
・かつて、山商と裕介の間には、何があったんでしょうか?
岩田のエピソードよりもよっぽど知りたかった。
・マークスは、最後、山頂で、どんな心理状況で何を思っていたんだろ〜?
でも、先にも書いたけど、
これ、復讐劇だと思いこむような設定がまぶしてあるけど、
ただの恐喝事件なんだよね…。
だったら、達成感なんて何もなくて、
「ここで命尽きる…無念」って感じなんだろうね…。きっと。
・真知子という登場人物が一番しびれた…。
いい味だしてたね。
・最後に…
部分的には読者の気持ちを駆り立てるのだが、
相対的には、繋がり感が低い気。
だから、読み終わった後に残尿感が残る…。
登場人物の設定に大きな荷を背負わせているにもかかわらず、
物語の展開の中には、そんなに生かされていない気が…。
しました。
【追記】
・遺書を盗まれた産婦人科医の行動が腑におちん
・畠山が愛人に使い込まれたお金のやり取りは、何の意味が…?
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